5月7日(日)文学フリマ東京にて、小説・エッセイアンソロジー『三者三様』を頒布します
はじめまして。
遍在ちゃん・かのぴ・阿部因子の三人からなるサークル「トレカント」のブログです。
トレカントは、同じ大学で出会った女三人が卒業後に勤務地が近かったからという理由でたびたび集まっては酒を飲み、あまりにくそすぎる現実に絶望しながらも、せっかく集まったのだしせめてなにかやろうぜとなにかをやるために立ち上げられました。
そんなトレカントの活動一発目として、三人の書いた小説やエッセイを掲載したアンソロジー『三者三様』を5月7日(日)に行われる文学フリマ東京にて頒布することになりました!どどん!
『三者三様』Vol.1
A5版/オンデマンドフルカラー/本文92ページ/600円
※取り置きご希望の方は「torekanto@gmail.com」へメール、
もしくは、Twitter(@TREKANT_333)からDMをお願いいたします。
◆同じ書き出しで小説を書いてみた
「電話番号を登録しませんか」という同一の書き出しから、三人がそれぞれ小説を書きました。書き出しは同じなのに、まったく異なるテイストの仕上がりにご注目ください。
遍在ちゃん『弔いの話』
「だから、今日一日の、放課後までの出来事だよ。フジタだって納得いかないって思ってるでしょ?」
「フジタ?」
教室には僕とマミミしかいなかったし、マミミの目は間違いなく僕に向けられていた。
「私は、どうしてもあの先生に屈したくなかった」
「……そりゃ、おかしいと思うよ。だけど、ウスタさんまで先生に怒られる必要なかったでしょ。それに朝から放課後まで立たされ続けるって、どうかしてるよ」
無意識に、僕の口から「フジタとして」の返事が滑るように発せられた。
かのぴ『こうしてわたしは恋愛工学信者となった』
三島さんは勃起していた。勃起なんてしなければいいのに、と思ったし、男の子の世界はわたしを前にあっさりと勃起してしまうところが愛おしかった。
阿部因子『アンテナ』
わたしはよく、気分の落ち込むようなときにその番号へかけていたように思う。電話をかける相手なんてそういないから、「いつもの」番号のためにいちいち/ちまちまボタンを押すのは楽しく、何か聞こえると嬉しかった。なにも聞こえない日には、なんだか世界の大部分に見放されてしまったような気がした。
◆箱庭体験記
三人で箱庭セラピーを体験してきました!
三者三様の悩める内面が暴かれまくったセラピーの様子をお伝えします。
遍在ちゃん
この時点ではなんとなく、「カウンセリングの先生にはどうせこんなふうに診断されるんだろうな」という予想が自分の中にあった。「この箱でいうと、あなたは湖のような存在で、誰にでも愛想をふりまき、水を与えることができる人ですね」みたいなことを言われるのだろう、と。
かのぴ
かのぴの作った箱庭のテーマはとらわれのお姫さまだ。当日、因子氏と遍在ちゃん氏にははずかしくて言えなかったのだけれど、前日にTBSラジオの「菊地成孔の粋な夜電波」で、菊地成孔と吉田沙良ちゃんが革命軍と処刑されるお姫さまを題材にしたラジオドラマのようなものをやっていたのを聴いたため、完全にその内容に引っ張られている。
阿部因子
そのときの言葉の中で印象に残っているのは、「創作をするのは、自分の心を知りたいから」ということ。まさにその通りだ。別に小説なんか書かなくていいのに、いつも苦しみながらなにか書こうとするのは、わたしが「そんなことを考えているなんて思いもしなかった」ことをわたしの指が書くからだ。わたしの身体が、創作の筋肉が。
こちらの企画はエブリスタでサンプルを公開しています!
◆8の話
みなさん、「8」という文字を書くとき、どうやって書きますか?
そんな、8の字の書き順をめぐる三人のエッセイ。
◆写真×文章
それぞれ三人が撮った写真を持ち寄り、気になった一枚に文章をつけてみるという企画。たとえば、こんな感じです。
ぜひとも、5月7日(日)遊びにいらしてください!よろしくお願いします。