11月23日(木・祝)、文学フリマ東京にて新刊『三者三様 vol.1.5』を頒布します! 完売したvol.1も増刷しました!
お久しぶりです、トレカントの遍在ちゃんです!
あまりにも久しぶりの更新なので、改めて自己紹介したいと思います。
トレカントとは、遍在ちゃん・かのぴ・阿部因子という、結婚予定なし、仕事に邁進する気もなし、将来への野望もないアラサー女三人が、あまりにくそすぎる現実に絶望しながらも、せめてなにかやろうぜと立ち上げたサークルです。
去る5/7の文学フリマ東京では活動第一弾として小説・エッセイ・箱庭体験をまとめた「三者三様vol.1」を頒布し、当初予想していた以上にたくさんの方々からお手に取っていただけました。本当にありがとうございます……!
そしてこの度、11月23日の文学フリマ東京にて、完売したvol.1の第2版、そして、新刊『三者三様 vol.1.5』を頒布することとなりました!!! でででんっ!!!
『三者三様 Vol.1.5』
A5版/表紙2色刷/本文70ページ/500円
※取り置きご希望の方は「torekanto@gmail.com」へメール、
もしくは、Twitter(@TREKANT_333)からDMをお願いいたします。
今回の『三者三様vol.1.5』のテーマは「キャラクターを作る」。
同じ設定のキャラクターが登場する小説を、遍在ちゃん・かのぴ・阿部因子が
それぞれ書いてみました! キャラクターの設定はこちら↓
①性別がない(両性/無性/その他自由)
②身長 175 センチ
③目の色がブラウン
④パートナーがいる
⑤たくさん靴を持っている
みなさんは、この設定からどんなキャラクターを思い浮かべますか?
私たち三人は「性別がない」の解釈が見事にバラバラ、本のタイトル通り三者三様な驚きの結果に!(笑)
ここではそんな本文を一部ご紹介します。
遍在ちゃん「奮い立つために」
「まー」
彼はかすれた声で言った。続けて「みー」と猫みたいに鳴いた。
「マミミさんという人だ」
じいちゃんは僕に彼の名前を紹介したけれど、本名であるかどうかは怪しい。彼は何を話しかけても「ま」と「み」でしか返事をしないからだ。
彼がどこからやって来て、じいちゃんとどうやって出会ったのか、じいちゃんは教えてくれなかった。マミミさんを連れてきた理由については一言こう呟いただけだ。
「ばあさんも死んだし、俺にとってはもう、男や女ということは関係ねえからな」
阿部因子「百年」
偏った性を持った者は、どこか強烈な魅力を放つもので、だからこそ青少年たちは彼らを遠ざける。抗えない魅力というものはなんだかこわいし、それに皆、万一うっかりパートナーにしたいと思ってしまったときに、己の理性を保てなかった精神の弱い者だと見なされたくないのだ。一部、そういう刹那的な恋を楽しみたい不良たちが、ホルモンに手を出し、己の性を偏らせる。
かのぴ「オノ・ヨーコ、あるいはマーク・チャップマン」
森ははんぺんに抱きつきながら、こめかみに唇をつけた。あはは、と会話に参加していなかった芸人たちもその様子を見て笑い、写真を撮ったりしている。森ちゃん、あれで一滴も酒飲んでないんでしょう、やばいよ、絶対なんかキメてるよあのテンション、という声が聞こえてくるけれど、ぼくも森はひそかに何かを服用しているんじゃないかと思っている。あるいは、きっと、ぼくらはふたりで躁鬱病なのだ。ふたりあわせて、寛解。
こちらはエブリスタでサンプル公開中、また今後はTwitter(@TREKANT_333)でも少しずつ内容公開していく予定です!
11月23日、みなさまぜひ遊びにいらしてください! よろしくおねがいします。